ランニングについて

スピンポールについて書くつもりでしたがまずランニング全体について書こうと思います。

スピンは張れているのに艇速が遅いということがよくありますが、これは僕がスピンを崩さないことやガイアップは常に意識できるようになってきているけれどほかの要素を意識しきれていないのが大きな原因だと思います。

ランニングで意識すること

１．ポールの高さ
スピンポールの高さはかなり重要で、上げすぎても下げすぎても速く走ってくれません。
自分が「今日は速い！」と思った時は、きちんと風速、ポールの高さを再現できるようにノートにメモして行きましょう。
また、遅いと感じた時は、こまめに高さを変えてみれば感じがつかめてくると思います。

２．スピントリム
上側のリーチ上部が常にカールが入るか入らないところを狙ってトリムするのがベストです。
トップチームのクルーはこのスピントリムが完璧です。少しのオーバートリムがスピードロスに直結するので、クルーの腕の見せ所ですね。
 
３．ヒールバランス
微風でのヒールバランスは非常に大切で、少しヒールしたところを常にキープする。
少しヒールしているところへ、ブローが入りこれをゆっくり・もしくは素早く起こす際に、必ず元のヒールポジションよりも起こしすぎないことが大切です。この力加減をマスターするのにかなりの時間を要しますが、これが出来るようになれば、失速することが減り、今まで以上に速く走れるようになるでしょう。

★アンヒールが入るまで起こさないこと。ヘルムが切り替わるまで起こしては失速の原因になる。

 ４．前後バランス
 あまり前に行き過ぎると、良かれと思ってもバウが沈みすぎて逆に失速につながってしまうので、適切な位置をコーチもしくはボートで見ている人に確認してもらうのが良いでしょう。
風が落ちればもちろん前へ、風が上がれば後ろへとモーメントの移動に合わせ、前後移動が必要なのは言うまでもありません。

★大きく動きすぎると、かえって失速する原因になるので少しの移動でOKです。

　５．スキッパーとのコミュニケーションを常に行う。
 良いパワーが入ったらすかさず「パワーが入った」と伝える。これを聞いたスキッパーは、落として行くのか前に出して行くのかをその場の状況を判断し、戦術的に展開して行きます。もちろんパワーが無くなる前にスキッパーはヒールをかけて上っていると思います。
★スキッパーには、これから入るブローや戦略などの会話をしてもらって、クルーはスピンとバランスに集中してトリムする。

スピンポールの高さについて

ポールを低くすると、セールは深くなり、シートの引き方に鈍感になって風をはらみやすくなり、軽風の中で、セールの重みでクリューが下がった場合に起きる、形のゆがみが起きにくくなる。ポールを高くすると、セールは浅くなり、横方向の力が弱くなり、セールを風の強い高い位置にあげる。一般的に、軽風ではポールを下げ、強風ではポールを上げる。このようにすると、スピンの二つのクリューが対称に位置するようになる。ポールの高さは頻繁に調節する。

風が強くなった時、ポールの高さを同じにしたままスピンをトリムしているとリーチが開いてしまいます。
しかし、リーチを閉じるためにスピンシートを引いてしまうとスピンが薄くなり十分な揚力が発生しません｡
そこでスピンポールによるリーチのコントロールを行います。
シートを固定した状態でポールの高さを高くするとスピンのリーチが閉じ、低くするとスピンのリーチが開きます。
そのためスピンポールを高くすることでセールの厚さを保ったままリーチを閉じることができる。

２回生　西出祥太